中古物件を購入する際には、もれなく瑕疵(かし)担保責任について確認してください。
瑕疵とは、所謂キズのようなことを指し「本来あるべき機能が損なわれている」という状態です。
つまり瑕疵担保責任とは、売買された物件に瑕疵があった場合に「売主」が「買主」に対して責任を負うということです。
では瑕疵担保責任というものがあれば全て責任を負ってもらえるのか?というとそうではありません。
物件見学が行われる前提においては通常見つけられるであろうとされる瑕疵は、原則この対象にはなりません。
もちろんですが、事前に知り得た瑕疵についても、担保の対象にはなり得ません。
これ以外にもう一つ、売主が買主に対して責任を負う「期間」が最重要事項になります。
民法上においては、「買主がその瑕疵があることを知って」から1年以内であれば損害賠償を請求することができると定めています。
また、それにより購入した目的が果たされないような場合、売買契約の解除を行うことすら可能です。
例えば瑕疵を発見したのが、物件の引き渡しから5年後だったとしても、
発見から1年以内は損害賠償を請求することが可能になります。
この部分だけ聞くと、かなり買主に有利な法制定となるのですが、
これでは、売主にとっては、いつまでも損害賠償を請求される可能性があるため大きなリスクになってしまい、
物件を売ってもらえないという事態に陥りかねません。
このような事態を回避すべく、中古物件の取引ではこれらの「期間」を制限するのが主流となっています。
実例としましては、責任を免除するというパターンもありますが、
個人対個人の売買においては「引き渡し」から3ヶ月までとすることが一般的です。
また、ここも一つのポイントになりますが、宅地建物取引業法により、
売主が不動産会社である場合には、最低2年間の瑕疵担保責任を持たねばならないと定められています。
ただし、仲介会社によっては、瑕疵担保責任を免除する売買契約を結ぼうとする場合もあり、
やはり買主は十分に注意しておくべきだと言えます。
とはいえ、個々の取引における事情も踏まえるのが良いです。
あくまで一例ですが、購入直後に建て替えをする、物件自体が古いので、
土地代のみを支払い建物代は支払わない、というような場合は免除するのも良いでしょう。
このようなケースを踏まえると、一概に長期間に設定し契約を締結することだけが正解とは言えません。
もし、免除される状態で物件を購入するならば、
購入後のリスクヘッジに備えた事前の住宅診断は必須と言えます。
中古物件を購入する際には、瑕疵担保責任の期間について事前に仲介業者にも確認し、
売買契約を結ぶまでに実際の契約書の内容を確認することが、トラブル防止のため必須になります。
瑕疵担保責任についてきちんと把握した上で、期間を設けるか免除するか、
お互いに納得のいく契約を交わすことが、物件への満足度を向上させる手段になると言えます。